諸橋茂一の言語道断

北朝鮮による日本人拉致問題

 今月は、北朝鮮による日本人拉致問題を取り上げたい。今日現在、我が国政府として確認出来ているだけで、新潟県の横田めぐみさんをはじめ7件10人の日本人が北朝鮮によって拉致されているという。(ハッキリと裏付けは取れていないが、北朝鮮に拉致された可能性の高い人々は合計で何と60人にもなると言う)
 しかも、それらの日本人が北朝鮮に拉致されたことが明白になってから、相当な年月が経過しているにも拘わらず、我が国政府はただ手をこまねいているばかりである。
 我が国政府に対し、「馬鹿野郎、好い加減にしろ!」と怒鳴りつけたくなる。我が国はこれでも国家なのか?全く国家の体を無していない。
 国家、政府の最も重大な使命は「国家・国土と国民の生命、安全、財産を守ること」であるにも拘わらず、10人もの日本人が北朝鮮に拉致されたと分かっていながら、何も出来ない、何もしようとしない。「こんな馬鹿な国家があるか!」何度でも怒鳴りつけたくなる。
 7件の拉致事件の内、今から何と20年前、昭和55年6月大阪で「原勅晁(たかあき)さん」(当時42才)を拉致したとして韓国法廷で事実認定されている北朝鮮工作員、辛光洙(シン・グァンス)元服役囚が9月2日韓国から北朝鮮に送還された。北朝鮮では辛光洙を英雄として大歓迎したという。
 その辛は60年2月韓国においてスパイ容疑で逮捕され、その取り調べの中で、原さんを北朝鮮に拉致したことが明るみになっていたという。
 一体どういうことだ。その後10数年間我が国政府は一体何をしていたのか!
これがアメリカやイギリス、フランス、ドイツほか世界の普通の国であれば、例え武力に訴えてでも原さんや横田さん初め計10名の自国の同胞をとっくの昔に救出しているだろう。
 処が、我が国はその犯罪国家北朝鮮に対し、実にお粗末なことに、抗議らしきことさえ出来ず、我が国に向かってミサイルを打ち込み、能登沖に不審船(工作船)を派遣し、なお且つ人道のかけらも無く、多くの我が国同胞を拉致している北朝鮮に対して、人道援助?などと言う名目でこれ迄多量の米を援助している。政治家、政府は頭がおかしいのでは無いか?全く馬鹿さ加減もあまりにもひど過ぎる。つい先日もその北朝鮮に対し、50万トン、予算にして1,200億円もの大量の米を援助することを、我が国政府は決定している。我が国の政府関係者の頭脳を疑わざるを得ない。
 我が国の主権が完全に犯され、同胞が拉致されても何も出来ないどころか、その無法国家に対して大量の貢ぎ物?を届ける。声を大にして叫びたい。そんな馬鹿なことがあるか!そんな馬鹿な国家があるか!全く言語道断である。
 マッカーサーから押しつけられた不備だらけの現憲法でさえも(早期に改憲或いは破棄しなくてはならないのは当然である。問題だらけの憲法については後日改めて取り上げたい)自衛の為の戦争は認めている、というのが、一貫した我が国政府の見解である。
 自衛とは一体何か?自ら何を守るのか?それは前述したとおり、国家・国土と国民の生命、安全、財産を守ることであろう。
 10名の日本人が拉致されているということは、我が国が国民を守り切れていないということである。国民が不法にも拉致されてしまった状況の中での自衛とは一体どの様なことなのか?それは一刻も早く(例え武力を行使してでも)拉致された国民を救出することが、自衛権の行使ではないのか!いや、それ以外の解釈は有り得ないであろう。
 それとも10人の拉致者数では少な過ぎるから救出出来ないと言うのであろうか?100人いや1,000人の国民が拉致されたら、その時は武力に訴えてでも救出すると言うのであろうか?
 馬鹿な!馬鹿なことを言うな!例え一人でも国民が拉致されるようなことがあれば、速やかに、例え武力に訴えてでも、あらゆる手段を使って、全力を尽くして救出することこそ、自衛権の行使であるはずだ!武力の行使については、最後迄慎重且つ、冷静な判断姿勢を保つとしても、北朝鮮に対して「何年何月何日迄に拉致した日本人を返さなければ、武力行使も辞せず。」というくらいの断固とした姿勢を取るべきである。
 北朝鮮の工作員、辛が原さんを拉致したのは、金正日の直接の指示だったと言う。全くとんでもない。オウムの麻原みたいな男が北朝鮮を動かしているのである。そんな気違いみたいな国に食料援助?馬鹿さ加減にもほどがある。北朝鮮と韓国や欧米との間に融和ムードが生じているからといって、我が国はいたずらに心を許すべきでは無く、甘く考えるべきではない。
 一日も早く、一刻も早く、例えどの様な手段に訴えてでも、北朝鮮に拉致された10人の日本人を救出すべきである。


平成12年12月